敬語の使い方-~ていただく-
【問題】
敬語の使い方が適切なのはどの文でしょう?
ア そちらの角を右に曲がっていただいて、まっすぐ進んでいただけますでしょうか。
イ そちらの角を右に曲がって、まっすぐお進みください。
【解答と解説】
相手の「曲がる」「進む」という動作をどう表現するかの問題です。
アは「曲がる」「進む」に、ともに「~ていただく」をつけて表現しています。さて、これらの表現は適切でしょうか。一見、ていねいで適切ような気がしますよね。でも、実はこれらは適切ではないんです。
というのは、「~ていただく」というのは相手が自分のために何かをしてくれるという場合に用いる敬語表現だからです。
たとえば、「メールマガジンを読んでいただけませんか?」「事務処理の都合上、専用の用紙を購入していただく必要があります」などは適切な表現です。
相手の「読む」「購入する」という動作によって、自分が恩恵を受けるわけですからね。
しかし、「曲がる」「進む」の場合、相手は自分のために通路を曲がったり進んだりしてくれるわけではありません。よって、「~ていただく」をつけるのは不適切です。
自分のために何かをしてもらうのではないという場面に「~ていただく」を使うと、へりくだりすぎて嫌味だとの評価を受けてしまうおそれがありますので、要注意です。
ということで正解はイでした。
【正解】イ
ただ、最近の傾向として、「~ていただく」を「恩恵を受ける」という意味ではなく、よりていねいな表現として使うということも許容されつつあるような気がしています。
個人的には、今回のお題のアのように「~ていただく」を重ねて使うのは、まわりくどくて、うっとうしいと思いますが、「そちらの角を右に曲がって、まっすぐ進んでいただけますでしょうか。」なら許容範囲ですね。皆さんはいかがでしょうか?