敬語の使い方-持っていく-
【問題】
ア~エのうち、正しい表現はどれでしょう?
<お客に傘を持って帰るようにすすめる場面で>
ア.雨が降りそうですから、傘を持っていってください。
イ.雨が降りそうですから、傘をお持ちください。
ウ.雨が降りそうですから、傘をお持ちしてください。
エ.雨が降りそうですから、傘をお持ちになられてください。
【解答と解説】
目上の相手に対して、その相手の動作について話すときは、「あなたのことを尊敬していますよ」ということをあらわす言葉「尊敬語」を使うのがふさわしいとされています。
このお題では、お客が傘を「持つ」という動作について話しています。このような場合、「持つ」は尊敬語を使って表したほうがいいわけです。
では、ア~エのうち正しく尊敬語を使っているのはどれか、みていきましょう。
ア「持っていってください」
→そもそも尊敬語を使っていないので、不適切です。
イ「お持ちください」
→「持つ」を「お~くださる」という尊敬語の形にあてはめたもので最も適切。これが正解です。
ウ「お持ちしてください」
→「お持ちする」は、例えばレストランなどで店員さんがお客に「おかわりをお持ちしましょうか?」などど言うようなときに使う表現。すなわち、目上の人に対して敬意をあらわすために、自分の動作を下げて言う「謙譲語」なのです。よって不適切。
エ「お持ちになられてください」
→「持つ」を「お~になる」という尊敬語の形にあてはめ「お持ちになる」という形にした上、さらに「~られる」という尊敬語の形にあてはめたものです。過剰な敬語として今のところ不適切な表現とされています。
というわけでイの「お持ちください」が正解でした。
【正解】イ
尊敬語を使うときのポイントは以下のとおりです。
1.謙譲語と間違えない
「お~する」は自分の動作をへりくだって言う謙譲語。 「お~くださる」は目上の相手の動作について言う尊敬語。似ているので、混同しないように気をつけてください。
2.尊敬の表現を重ねない
問題の「お持ちになられる」のように「お~になる」と「~られる」を重ねて使うと、丁寧な印象をあたえますが、このような表現は今のところ正しい日本語ではないとされており、『窓口敬語』として嫌う人も少なからずいるので要注意です。